黒番 四段 小川勝美(恵北支部) VS 白番 六段 竹内猛(東海中央支部)
第七譜(96〜110:本譜1〜15)『黒、必死』
勝負で大事なのはスキのな い形をつくること。アマ棋士 の場合、盤面に広がった自軍 の石が全部一つにつながって いれば、と思ったりするもの だ。 この碁の小川勝美四段も恐 らくそんな気分っだたろう。 中央の黒を左右に裂かれて、 ぼやぼやしてはいられなくな った。 さあ、どうシノグか。当面 の緊急課題は中央。これがや られては”オワ”となるため 、黒1から3と必死でシノギ にかかった。 左右から挟み撃ちにされて いるので、限られたスペース で居住空間をつくるのは容易 でない。 対する白は余裕しゃくしゃ く。ことさら無理はしません よ、と一見穏やかな態度をと りながら白6、8と急所を突 く。 黒9となっても黒は一眼だ け。黒15となって、あと一 眼つくれるのか。 盤上はがぜん熱を帯びてき た。