黒番 四段 石井英明（四日市支部） ＶＳ 白番 六段 藤原國治（東海中央支部）
第九譜（１４０〜１５９：本譜１〜２０）『まさか！』

戦いの主導権を握った場合 、無理な勝負はしないこと。 見切りをつけて「店じまい」 をすることが大事。 　ところが、この碁は優位に 立った黒が、最後の最後で無 用の欲を出したため、思わぬ 結果を招くことになった。 　それが右辺黒１だ。なにも ここまで頑張らなくてもいい のに、このままでは右辺の白 が大きくなりすぎると思った のだろう。 　つい欲を出したため、シッ ペ返しを食うことになった。 　単に活きるだけなら、いく らでも手はあったのに、黒５ がいかにも軽率。このため白 ６、８とやられ、この後、白 ２１となって攻めにいったは ずの戦闘部隊が敵陣に孤立。 何を打ったか分らないことに なった。 　石田英明四段としても「ま さか！」と信じられない気持 ちだったろう。 　店じまいのタイミングを失 ったのが第一。反撃されてか らは平常心をなくしたようで 、まさかの大逆転。