黒番 四段 石井英明(四日市支部) VS 白番 六段 藤原國治(東海中央支部)
最終譜(1〜159)『勝ちを拾う』
(159以下略、白四目勝ち)
勝負はゲタをはくまで分ら ないという。この碁がその典 型だった。 序盤からの流れをみると上 辺から中央へかけてのやりと りは、黒がもたついて白51 とやられた時点では、白よし の展開。ところが、このあと 黒52が強烈で白は二の矢が 継げなくなり、あれよあれよ で白43、45の白二子がト ラれ、アッという間に流れは 変わった。 こうなると、つい無理する もので利あらずとみた白は、 この後、左下で反撃に出た。 が、この特攻作戦も黒106 となって全員玉砕。このやり とりで一遍に黒が優位に立っ た。 もう、どう転んでも黒の勝 ち。だれもがそう思ったに違 いない。ところが、終盤にき て「まさか」が起こり、右辺 黒138以下、黒が暴走して 自滅。白の逆転を許すことに なった。 黒144で75の一路右に キリを入れておれば。恐らく 黒の楽勝だったろう。 藤原國治六段にとっては拾 いものの一局。