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囲碁道場 初級講座対局 白Sさん四段 vs. 黒斉藤三段(2004年6月8日) 中押負け
斉「久しぶりに解説お願いします。 今回は完敗の碁でした。 まず、最初に今気が付いたので すが、黒11はキリでしたね。 もし、白4が逃げたら、黒7か ら下がり、二目にして捨てて、 外勢をはるんですよね」 近「白8がはっきりした悪手で、黒 11では白10の上へのキリが成立 するのは確かです。でも、白4 が逃げたら黒もB-17へノビれば どうなります? 次に黒C-14ハネによる2子取り と、黒E-18からの白4の石のト リとが見合いではないですか? わざわざ石を捨てなくても 、 これで黒十分のような気がしま すが…。 黒11で、まず白8の悪手をとが められずに終わりましたね。 三段VS四段の碁にしては、ちょ っと心もとない気が…」 斉「次に黒17ですがこの局面ではど こが良かったでしょうか?」 近「いろいろあるところでしょうが 、広いほうからのカカリ、で普 通の手ではないでしょうか。 他には右辺の星あたりを占有す る、なんていうのもあるでしょ うね。「わが道を行く」的な碁 を打つ斉藤さんにはこちらのほ うが自然かもしれません。 やきもちを焼く私ですと、実戦 の黒17に石が行くでしょう。 D-14にもうひとつノビるのもあ りでしょう。白も手は抜きにく いのでは…」 斉「黒17から黒24までの展開で、黒 25と黒29について、まず黒25で 固めたことと、黒29と打ったこ とこれは小さいでしょうか?」 近「黒25のハネツギを打つかどうか は微妙ですかねえ。地では得で すが、白28により黒19の石が痛 んでいますから。下辺の白14、 16の2子は黒J-3に打たれるのが ある意味での急所で、白も受け 方が難しい。 白28までとなってからではJ-3 へ黒が打つ狙いはかなり消えて しまってます。 となると、さかのぼって黒17で はこのJ-3へ様子見する手もあ ったかもしれません。 黒29は星打ちする斉藤さんらし かぬ手ですねえ。 C-7へ打って白に受けさせて右 辺の星に先行すべきではないで すか? 黒29は「あれあれ???」って 手です」 斉「白30から黒41までの流れはどう でしょうか?」 近「黒31は右下黒からのヒラキと白 30へのハサミを兼ねたR-10あた りの着点もありだったでしょう 。黒39、41はなんかゆるんでる 感じ。黒石も堅固で、こちらか ら石をもって行きたくない気が します。 右上白の生きている一団を後手 で封鎖する、という考えからも やはりあまり打ちたくない方向 。それより、下辺白の盛り上が りを防ぎたい、自分の模様を広 げたい、その接点即ち天王山的 な着点として、M-7あたりに石 を持って生きたい気がするんで すが…。 M-7かどうかははっきりしませ んが、盤面の右下に目を向けて みたい気がするんですよねえ」 斉「最後に白42への対応。 これがすごくまずかったように 思えます。 白66までこの段階ですごく白有 利ではないでしょうか? どこからこんか感じになってし まったかじっくりと解説をお願 いします」 近「そもそも上述したように、堅い 右上の黒から石を持っていって いるのも原因のひとつでしょう 。右下の白42の点は黒3,15の2 子の弱点。 それでもどうですかねえ。黒43 でR-7にツケ、白がQ-8にタテば (こうして白を重くする)、黒O- 7であおる、というかんじでい けばいいのかな? 斉藤さん、ツケて攻める白を重 くするって、何度も言っている ような気がするのですが、よほ ど打ちたくないとみえますね。 黒43ではまったく相手に響いて おらず、白はいかようにもさば けますね。 とにかく生かしてもいいから攻 める!周囲が黒っぽくなれば、 下辺白の模様はは自然に消滅し ていきますよ。 黒45が飛びぬけた悪手! 斉藤さん、こんな手打ってた ら降段ですよ。 黒47がセットになるわけですが 、ひどい…。 白は喜んで1子捨てます。 白52に対する黒53は死んでもQ -12とデたい。 とにかく右辺の白をいじめない ことには話になりません。 黒57までのキカサレ方をするの は、置き碁の世界です。 白66まで、白Sさんは実に気持 ちよかったのではないでしょう か。白66までで手順は終了して ますが、黒はここで投げたので しょうか。 特に気になった着手は白8、黒 11、黒29(この手もかなり罪が 深い。大きく大勢に遅れていま すよ)、黒45、黒53、といった ところでしょうか。 この調子ですと、まだ私は4子 では斉藤さんに負ける心配は なさそうです。夜も更けてきま した。 安心して寝られそうです」