この画面を閉じる 囲碁道場　初級講座対局　斉藤二段　vs. Ｏさん初段（2003年8月26日） １６目勝ち

斉「前回と同じく相手は初段の方でし た。前半ですが白22、24、26が狙 われると思ったのですが？」 近「やはり白22のキリがよくなかった 　　ということになるんでしょうね。 　　黒27で普通に11-Kあたりにトバれ 　　ているくらいでも白は窮屈な感じ 　　です。 　　黒21に白は8-Lに受けているくら 　　いではないでしょうか」 斉「黒27のあとの白28のタケフでほっ 　　としました」 近「黒27とはまたおかしな手なわけで 　　すが、白28タケフもまた異様に重 　　い手で、せめて11-Jあたりのコス 　　ミくらいは…思います。 　　この碁は黒21と白22のキリ違えて 　　いる石の競り合いがひとつのポイ 　　ントなのです」 斉「あと、前回と同じく白32があまい 　　のでしょうか？」 近「前回より右辺黒のヒラキが一路広 　　く、攻めにくい。白32のあと黒34 　　と三々に入られる手が成立すると 　　白32はあまいのですが、そんなこ 　　としたら右辺の黒が持ちません。 　　で、実戦のように黒33,35のツケ 　　ヒキとなるのですが、それにより 　　下辺白は地化しました。 　　今回の白32は白8の石とも呼応し 　　てそんなに悪い手とも思えないで 　　すが…。 　　ちなみに、前に戻り、白10の受け 　　は3-Hと一路下げて受けておれば 　　、黒15のキリは入りません。 　　実戦は黒15の石が活力を持ってお 　　り、後の黒2-Dトビオリがほぼ先 　　手。黒15のために白は左下黒へ侵 　　略しにくくかつ、黒23のあと5-Ｅ 　　あたりにくすぐっていくような手 　　も打ちにくくなっています」 斉「白44で、伸びて黒45の場所に打つ 　　かどうか悩みました」 近「どうせ悩むのなら、もう少し前で 　　悩んで欲しいところです。白38も 　　17-Ｆと低くカカッたほうが、単 　　独で根拠を持ちやすい。 　　白38では黒39にハサまれるくらい 　　でも中央タケフの4子と白38がな 　　んとなく孤立している気はしませ 　　んか？根拠も持ちにくいですし。 　　黒49ノゾキが悪手ですが、実戦の 　　進行は序盤50手までこの碁もまた 　　斉藤さんが非勢になりました。 　　非勢の理由は中央タケフの白のダ 　　ンゴ石。ここを黒がもっとはやく 　　追い立てていれば白はもっと苦戦 　　していました」 斉「白54に対しての黒55は意外でした 　　。しかし今から思うと黒39につけ 　　ずにケイマでいってM-15一間飛ん 　　でおけば良かったでしょうか？」 近「ま、黒53も55も重複もいいところ 　　で、悪手の代表格みたいなもので 　　す。あとは斉藤さんの言うとおり 　　、白56ツケがあとでポンヌカれる 　　くらいならなぜ打ったのか、とい 　　う超悪手です」 斉「左の白がいじめられないように白 　　60とキリました。 　　もし白64の場所から押さえられた 　　ら、B-18、B-17として先手をもら 　　おうかと思っていたのですが」 近「なるほど、白60は捨石の予定だっ 　　たわけですか…」 斉「白68と74が切られることを考えた 　　のですが左黒は白が進入できる余 　　地があると思い、まずは右黒へ」 近「白74は確かに現時点では捨石にし 　　ても惜しくはなく、白78も白80と 　　呼応して好手です。 　　しかし、黒81のデに対して黒83の 　　ところに押さえられないのではち 　　ょっと拍子抜けです。 　　押さえられたのではないですか？ 　　黒82の点のキリは白84とアテて恐 　　らくキッた黒石はモチコミになり 　　ます」 斉「黒85は意外でした。 　　これで右白に地ができました」 近「黒は黒81のデなんか打たずに天元 　　あたりに打って中央タケフの石の 　　動きを催促したい。 　　ここの形を先に決めておけば、右 　　上に白の大地ができることなど考 　　えにくい」 斉「今回の悪手の中の悪手白98。 　　黒101で下に下がられていたらと 　　考えるとゾッとします。ここでは 　　黒99の場所でしたよね？」 近「それもそうなのですが、黒95に白 　　96と2子を助ける必要があるので 　　しょうか。 　　4-Ｌと守って、白18,20のカス石 　　は捨ててしまうくらいでしょう。 　　実戦の黒97も下辺を破れなかった 　　ぬるい手ですが、白98で黒99の点 　　に受けていたとしても、4-Ｎのハ 　　ザマから打たれて先手で白32の石 　　を持っていかれます。 　　白98は斉藤さんの手がすべった悪 　　手ですが、白96も相当罪のある手 　　です」 斉「黒111は無視して三３へ。 　　ここでは少し動きすぎたのですが 　　なぜか黒が遠慮して白の進入を許 　　してくれました」 近「黒は左辺を大事にしたかったわけ 　　ですね。それなら黒は2-Ｄに打っ 　　ておくべきでしょうね」 斉「二目はいつでも取れる状態にして 　　まずは左黒を荒らして、先手で右 　　黒を荒らしました」 近「どこの黒2目(2子)のことかと思っ 　　たら、 黒17.19のことですか。 　　白130は10-Ａにサルスベリしない 　　んですね」 斉「後半での悪手は白176。 　　よくついでくれたものです。 　　しかし今回もなんとなく前半は黒 　　に押されぎみでした。 　　なぜでしょうか？」 近「斉藤さんの碁は中央志向？と思い 　　きや、白22のキリのような手を打 　　っていく。 　　黒にまたも押された原因は先に指 　　摘していますが、黒21,23の2子が 　　黒37の手が何となく援軍になって 　　いるために、相対的に中央タケフ 　　の白4子がダンゴで孤立している 　　。ほとんど何の役にも立たずに攻 　　めの標的として置き去りになって 　　いるだけです。白22に切る時に切 　　ったあとの流れを読んでみました 　　か？ 　　本局はこの4子を最後まで黒が放 　　置していたために白もそれほどの 　　苦戦とはならなかったのですがね 　　。こんなところでしょうか」